写真を撮ってきて、「これが本当に私が心からやりたかった、伝えたかったことだ!」
と思えることが見えて来てから何かが変わりました。
私は人を笑わせることや面白い話をするのが得意ではありません。
そのことで当初はいろいろ悩むことも多かったです。
カメラマンとしてもっと面白くなければ・・・
と、本気で悩んでいました(^_^;) いや、恥ずかしながらほんまのことなんです。。
技術のことは努力するほど向上するけれど、
技術のことは努力するほど向上するけれど、
そういう部分は努力すればするほどなんか空回り・・凹むこともたくさん。
カリスマって、いいなー。人気があるっていいなー。あーあ・・・と、しょんぼりしたり。
本当に「普通の人」である自分にがっかりすることもたくさん。
だって私は本当に普通の人だから。
でも、私が撮ってきた人たちが教えてくれたんです。
私は私らしく撮ればいいんだということです。
嬉しいお電話やお手紙をいただいたんです。
「トラコさんの前だからこそできた表情でした。
自分自身の写真をちゃんと受け止めることができたのは生まれて初めてでした。」
「アルバムを見た親戚一同が言っていました。二人の想いが伝わってくる。と」
「私の気持ちが写っていました。」
大げさに思えるかもしれないけど
生きててよかった って、思えるくらい私にとって嬉しい言葉たちでした。
この普通の私が何か人に喜んでもらうことができた!
っていうことが自信になりました。
あれから5年くらい経った今も笑いを取ることはできないけれど、
得意なことなら自然とできます。
私はその人に寄り添った写真を撮るのが得意です。
人の想い、空気感、そういうものを表現する作品を作ることです。
意識しなくても人の魅力がすぐ目に入ってきます。
私にとっては息をするように普通のことだって思っていたのですが、
同じカメラマンである夫から言わせると、
それは私が得意なことだそうです。
人それぞれ、得意なことを形にしていけばいいんだ。
今はそう思っています。
私自身はこう撮りたい!というものはそんなに持っていません。
だから万人受けするような作品を創作するような意欲もありません。
メラメラと湧き上がってくる、世の中を変えたい!という意欲もありません。
ただ、目の前の人の想いに一つ一つ、
ゆっくりと丁寧に答えていきたいのです。
こんな風に悩んでいる、こういう自分を残したい、
という気持ちに沿って、それならどう表現するのがいいかを伝えたり、
アドバイスして撮影する中で、目の前の人の表情がぱっと明るくなる。
緊張していた気持ちが少しずつほぐれていく。
そして大丈夫だとわかったらほっとして、
それから嬉しい気持ちは、写真にも写ってきます。
写真写りのアドバイスも、沢山の人の声を聞くうちに、
悩んでいる人が多いということから始めました。
以前は私も自分の写りが苦手でした。
でも私みたいに思っている人は他にも沢山いてることを知って、
それ、克服できるよ!って共有したいと思ったんです。
自分が写っている写真を山ほど持っている人はたくさんいると思います。
でも、「自分らしい写真」を持っている人は少ないです。
免許証の写真を見せてと言ったら、大体の人が嫌だといいます。
それは、ぎこちなかったり、怖かったり、無表情だったり、
自分らしくない写真だからです。
自分らしい写真は、
・新しい自分に出会えたり、
・自分探しのきっかけになったり、
・自分の励みになったり、
・自信を持てるようになったり、
・新しい一歩を踏み出すきっかけになったり、
・自分のことを肯定的に受け止められたり、
私が思っていた以上に、影響力があると知りました。
以前読売テレビとNHKのドキュメンタリー取材を受けた時に、
私の手を離れて行った写真についても、取材していただきました。
どんな風に飾られていて、
どんな風に想ってもらっているかを知って、涙がでるほど感動しました。
ご主人の写真について、
「毎朝出かける時に見ていて、
何かがあったときも作品が自分を見守ってくれていて、
まるで自分に語りかけてくれているように感じています。」
私が思う以上に、本当に本当に大切にして下さっていたんです。
30代になって色々悩むこともあります。
ちょっとしたことが気になって夜に眠れなくなったり、
あ~こんなんじゃダメだ~!と本を読みあさってみたり、
でも、つまるところ私の活力源は、これです。
これが私!と思える自分らしい写真に出会ってほしい。
そういう写真は自分を励ましてくれるし、踏み出すきっかけになります。
自分の大切な人にとってもタカラモノになります。
写真写りについて悩んでいる人がいたら、
同じように克服する方法を伝えたい。克服したら、写真に写るのが楽しくなるし、
なんてことなかったんだって、思えてきます。
成人式や結婚式のイベントだから撮る写真ではなく、
「自分探し」のために撮る写真、
ただ綺麗に撮るのではなく、
本当に自分らしい自分を見つけるために写真、
私はこれからも写真を撮って、
自分らしく生きたい人のための、何かの力になっていけたらと思っています。
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