2015年3月30日月曜日

価値観を揺るがすもの。

忘れていた感覚を刺激するものに出会った時、

ドキドキすることがあります。



国立近代美術館で見かけた作品は、

正直言って私にはほとんど響くところがありませんでした。


でも、書いてあった言葉、

「当たり前と思われていることを疑問視し、見る人の価値観を揺るがすもの。それがアート。」

この感覚はすごくわかりました。


例えば、先日ドキドキするような桜の屏風と出会いました。

山間部の川下り。散った桜が絨毯みたいになって、

川の両側をピンクに染めていました。

桜の花の1つ1つに光が差して、キラキラとした表情を見せていました。



確かに散った桜が、湖のや川の水面に浮かんでいるところを見たことがあります。

でも、それにぐっとフォーカスをして力強く描かれていることで、

改めてその美しさをより、リアルに感じることができたのです。



例えば、先日は食パンを描いた作品に出会いました。

遠くから見たときは写真かと思うようなリアルな感じで、

少し近づいていくと、だんだんとその食パンの粘りのような食感が、

本物以上にリアルな感覚として描かれていることがわかりました。

写実的というよりは、その質感にフォーカスして力強く描かれたもので、

美味しそう、という感覚はこういうところから来たのかと、

再認識させられるような、感動がありました。



このどちらにも共通するのは、

忘れていた感覚が、記憶と結びついて強く呼び起こされる感じです。

そのリアルさは、私がこれまで桜や、パンに対して抱いていた価値観を

揺るがすような感動がありました。




それは私がまさに写真でやりたい、と思っていることです。

人を撮るとき、カウンセリングをすることで、

その人が感じているリアルな自分、

そして、そこにその人が忘れていた感覚や記憶、

本人が気づいていない絶対的な魅力についても、

表現できたらと思っています。



自分自身に対する価値観を揺るがすもの、

それはその人にとって、これからの自分を探したり、

自信につながる、キッカケになります。




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