私にとって美術館・博物館・科学館は、
自分の立ち位置を改めてみつめることができる場所です。
だから時間が取れる時は、美術館・博物館に行くようにしています。
今ではネットでいろんな作品も見れるし、書籍もあるので、
わざわざ出かける必要がないように思いますが、
作品は見る側としての気持ちによって、
受け取り方が全然違ってきます。
例えば、1000万円の絵画がスーパーの壁面に飾ってあっても、
私ならスルーしてしまいます。
でも、同じ絵画が自分が入場料を払ってわざわざ見に行くと、
そこから何か感じようとする心構えになって、
そのことで感じ方も違ってくることがあります。
それでも理解できない、わからないものもいっぱいありますが、
感じられないものは、無理をせず今の自分の気持ちに正直にいることにしています。
それにネットだと、自分の知っていることしか調べられませんが、
美術館・博物館・科学館には、自分が調べようともしなかったものとの出会いがあります。
今日行った上野の国立科学館は、まさにそれでした。
それは顕微鏡の世界でした。
顕微鏡は、私にとってただ小さいものを大きく見せてくれるものでしたが、
位相差や蛍光、偏光、などの顕微鏡で可視化することで、
私たちにはいくら大きく拡大したところで、
見えないものまでも見せてれることがわかりました。
それは、もう私たちの五感を超えるところです。
例えば、ミミズはあまり綺麗なイメージがありませんが、
蛍光顕微鏡でミミズの細胞を見ると、息を飲むほどに美しいイメージになっています。
もう、全く知っているミミズではありませんでした。
科学はいつも、モノの見方を覆すような、新しい視点を与えてくれます。
その度に自分がどんなにステレオタイプなイメージでモノを見ているのか、
ということに気づかされます。
写真と出会って私は、世界の見方が変わって、
今までと変わらないはずの風景が何倍も美しく感じられるようになりました。
美術館・博物館・科学館は、鈍ってきた自分の感覚を、
もう一度研ぎ澄ませようと、立ち返らせてくれる場所です。
0 件のコメント:
コメントを投稿