2015年5月6日水曜日

本当の気持ちを言える場所

24才くらいのころ、世の中には、どうにかしたくてもどうしようもならないことが、
あるんだなーって、気づきました。


その頃の私はまだ夫と出会う前で、
そのことのために、ひとりでずっと泣いたり、ひとりでそのために何か、
当時の自分ではそれが有効だと思う、ダサくて意味のないことをしていました。
そして少し効果があったような気がして、
ときどき救ったつもりになっていたりもしました。



何にもできないのに、頭のなかはそのことでいっぱいで、
でも、心配していたり、悲しんでいることは、絶対に悟られないようにしていました。



あのころの自分は、いっぱいいっぱいで、
とてもでないけど、身近な人にほど、その本当の悲しみや不安については、話せませんでした。
一番大切な人たちを、悲しませたくなかったからです。
でも同時にそのことが、私の生きる原動力でした。
どんなことになっても、私がなんとかする。
なんとかする力がないにも関わらず、それだけは信じていました。



今考えると、当時の自分にかけてあげたい言葉がいっぱいあったなーと思います。
それは身近な人でなくて、遠い人の方がいいと思うのです。
本当の悲しみみたいなものは、知っている人にほど見せにくいからです。



今でも、ずっとそのことが私のどこかに生きています。
だから、どうしようもないこと(と本人が感じている)を目の前に、
なんとか奮闘する人を見ると、応援したくなります。


できたら写真がその人の次の一歩へ進むための、
きっかけになればいいな、と思っています。


その人の魅力をもっと知って、表現するために、
撮影の時に伝えることがあります。

あなたは私の前で、どんなあなたでもいい、
だって私はそもそもまだあなたのことをほとんど知らないし、
私はあなたがどんなあなたであっても、
あなたにどんなことが起きていても、驚かないし、評価もしません。

抱えている本当の気持ちを話すことで、
自分でも知らない自分について、見つかることがあるんです。
そして写真でその自分を眺めることもできるんです。
それによって自分に対する見方が、少し変わることもあります。

話したくないことは話さなくてもいいし、
もし話したいと思うなら、ここは、何をどう話しても、本当の気持ちを言ってもいい場所です。




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